小次郎に腕を引っ張られる。

でも、ここであきらめたら、陽炎様のお嫁さんにしてもらえない。


「くっそぉぉぉお!」


あたしは小次郎の手を振りはらい、短刀を手に鵺に向かって駆ける。

次から次に落ちてくる稲妻を避けながら。だけど……。


「きゃああ!」


足元に落ちた雷が、あたしと土を一緒に吹きとばす。

なんとか着地するも、気づけば足首が傷つき、血がにじんでいた。


どうしよう。このままじゃ勝てない……!