くのいち初恋伝



ほんと、なにが言いたいのか全然伝わってこないんだけど。

腕組みして首をかしげると、小次郎は一つ咳払いをした。


「槐……俺は、昔からお前が……」


ほのかに頬を染める小次郎。

昔から、なに?

黙って聞いていると、すぐ近くから人の口笛のような音が聞こえた。

どこか物悲しい響きを持ったそれは……。


「鵺の鳴き声!?」


あたしたちは驚き、周囲を見わたした。