「ぎにゃあああああっ」
狙いどおり、カギ爪を猫又の背中の皮膚にくいこませることに成功した。
だけど、力の強い相手は止まることなく、縄を持っているあたしは引きずられてしまう。
「小次郎!」
名前を呼ぶと、頭上の木の枝から、ひゅんひゅんと音を立て、手裏剣が落下してきた。
手裏剣は猫又の足を傷つけ、動きを止めることに成功する。
「いまだ、槐!」
木の上からの合図で、土を蹴る。
「やあっ!」
あたしは傷の痛みに悶える猫又の背中に飛びのり、首のうしろを、苦無と呼ばれる小刀で突く。
すると、猫又は一瞬で気を失った。



