村中の女子が夢中で、身分も高く、実力もある。 そんな陽炎様なのに、遠くから見る姿は、いつもどこかさびしそうだった。 いつからだろう。陽炎様を、もっと笑わせてあげたいと思ったのは。 「そんな高望みやめてさ、もっと身近で、お前を幸せにしてくれそうな男を選べよ」 「幸せにしてくれなくて結構。幸せは、自分でつかむものだ」 「……全然、伝わってねえ……」