陽炎様が出した条件は、決して易しいものではない。

鵺は、ウワサでしか聞いたことがない、伝説のもののけなのだから。


けれど、お嫁さんにしてくれるというのなら……!


「わかりました! 行ってきます!」


あたしは立ちあがると、陽炎様に一礼し、その場を立ち去った。