私が全部言い終わったところで、斉藤が口を
開いた。
「そんな…!それじゃ奈津さんは振られちゃうんですか!?」
「バカ、応援してどうするのよ。素直に喜べば良いじゃない。」
「でもそれだと卑怯な気がして…。」
「別に奈津が振られたとしてもアンタが絶対に成功するわけじゃないんだから。」
「…はい。」
こんなところでずっと話してても意味がない。
何か具体的にアクションを起こさないと、と考
えてたところで斉藤の髪に目が留まった。
「ねえ、昨日も言ったけどさ、そのウザい前髪どうにかならないの?というか全体的に髪が長い。伸びっぱなしだよね。」
「え、切るんですかっ!?嫌ですよ!?」
「だって奈津、地味なのはヤダって言ってたし。それに元の顔はそこまで悪くないと思うんだよね。」
「ええ、そんなぁ…」
嘆く斉藤を他所に、筆箱の中を漁っていたら、
あったあった。思った通りハサミが入っていた
。
ハサミをチョキチョキと動かしていたら、突
然斉藤が声を上げた。
「五十嵐さんが切るんですかっ!?!?」
「美容院行けっつっても、どうせ行かないんでしょ。それならココで切っちゃったほうが早いじゃない。」
「いやいやいや、嫌ですよっ!?!?」
自分の髪を守るように頭をおさえている。
「ちょっとだけだから、少しすく程度。」
