…何も考えられないまま、気が付けば家に帰っていた。
…龍介からは逃げられそうもない。
…山積みになった問題を解決する術を見つける事が出来ない。
・・・あの事を知られるくらいなら、龍吾との別れを考えるしかなかった。
帰り際見せられた、龍介からの数枚の写真。
…もう何年も前の出来事なのに、龍介はそれを捨てる事はなかったようだ。
…また、私に、あの恐怖を呼び起こした。
あの事件を起こしたのは龍介だ。それなのに、そこから私を救い出したのも、龍介だった。
…あの事件はすべて、龍介が仕掛けた罠だったと、後で知った。
龍介が突然、私の前から姿を消したあの日。
私はすべてから解放されたものだと思っていた。
心の奥に、しっかりと鍵をかけ、忘れたツモリだったのに。
龍介がそれをすべて思い出させた。
・・・ピンポーン。
部屋の中で、何をするでもなく、ボンヤリとしていると、インターホンが鳴った。
出る気にもなれなくて、その場から動かなかった。
…それでも、インターホンは鳴りやまない。
私は、力なく立ち上がると、玄関に向かい、静かにドアを開けた。
「・・・?!」
目の前にいる人物に釘付けになり、固まる。
「やっと出たね。これ、渡しそびれたからさ」
そう言って微笑んだのは。
「…龍介」
一番会いたくない人物だった。
「これ、ちゃんとはめててよね」
そう言いながら、小さな箱から取り出したのは、…婚約指輪。
…龍介からは逃げられそうもない。
…山積みになった問題を解決する術を見つける事が出来ない。
・・・あの事を知られるくらいなら、龍吾との別れを考えるしかなかった。
帰り際見せられた、龍介からの数枚の写真。
…もう何年も前の出来事なのに、龍介はそれを捨てる事はなかったようだ。
…また、私に、あの恐怖を呼び起こした。
あの事件を起こしたのは龍介だ。それなのに、そこから私を救い出したのも、龍介だった。
…あの事件はすべて、龍介が仕掛けた罠だったと、後で知った。
龍介が突然、私の前から姿を消したあの日。
私はすべてから解放されたものだと思っていた。
心の奥に、しっかりと鍵をかけ、忘れたツモリだったのに。
龍介がそれをすべて思い出させた。
・・・ピンポーン。
部屋の中で、何をするでもなく、ボンヤリとしていると、インターホンが鳴った。
出る気にもなれなくて、その場から動かなかった。
…それでも、インターホンは鳴りやまない。
私は、力なく立ち上がると、玄関に向かい、静かにドアを開けた。
「・・・?!」
目の前にいる人物に釘付けになり、固まる。
「やっと出たね。これ、渡しそびれたからさ」
そう言って微笑んだのは。
「…龍介」
一番会いたくない人物だった。
「これ、ちゃんとはめててよね」
そう言いながら、小さな箱から取り出したのは、…婚約指輪。