「いいですか?しっかり拝みましたか⁉︎ 厄除け祈願」
頭を上げると、ひかるからそう言われた。
「厄除け?」
何故知ってるのかと不思議に思った。
「エリカさん、厄年なんでしょ?厄除け参りしてるって、杉野さんから聞きましたよ」
「太一から…?」
(何故⁉︎ どうしてここで太一の名前が出てくるの…⁉︎ )
「杉野さん、心配してました。自分が四国に行った後、エリカさん一人で大丈夫だろうか…って」
「えっ…」
「見た目しっかりしてるけど、ドジだし不器用だし、寂しがりやだから…って。散々酷いことばかり言ってましたけど…」
笑顔で話す。その顔が、少し真面目になった。
「…愛情が残ってるんだろうなと思いました。…エリカさんのこと、きっと今でも好きなんですよ…」
ドキン…!と胸が鳴る。
甘い夢と異なる現実。
ひかるの口から出てくる言葉に、頭の中が真っ白になる…。
「別れた原因も単なるコミュニケーション不足みたいだし、ヨリ戻そうと思ったら戻せるんじゃないですか?今日みたいに、エリカさんから謝っちゃえば!」
楽しそうに笑う。
夢の続きが見れて、幸せな気持ちになってたのにーーー……
(ヤバ…泣きそ…)
……目の奥が痛くなる。
涙が溢れそうになって、慌てて背を向ける。
地面を見てる視界が歪む。
涙が零れ落ちそうになるのを、必死で食い止めたーーー。
……太一の気持ちは知ってる。
ひかるに聞かされなくても、本人から直接伝えられてる。
(でも、私は…それを断ったばかり……)
思ってもなかった展開に現実を知る。
明らかに夢の中とは違う。
こんな事…何も望んでもいなかったーーー。
「…エリカさん?」
名前を呼ぶ人の方に振り向く。
ハッとするその表情に、無理やり笑って見せた。
「…ご心配ありがとう。でも…太一とは終わったことだから…」
夢の続きは甘くなかった。
彼との時間を再び訪れて、幸せだと思ってたけど……。
(でも、この現実は…あまりにもひどすぎるーーー)
天国から地獄に落とされた様なショック。
その後の食事でも、辛うじて明るく振舞った。
店内から見える表の通り。
向かい側の端っこに、やはり花屋があるーーー。
「私、後であの花屋に寄りたいな…」
後ろを指さした。
振り返った「ひかるの君」が、店の場所を確認する。
「…いいですよ。花…好きなんですか?」
向き直って聞く。
「うん…まあね」
店先のバケツを眺めて言葉を濁した。
私が花屋へ寄りたかったのは、夢の中のように、彼にただ…花を贈りたいと思ったからだ…。
支払いをしようとレジに立つと、ひかるは頑としてそれを拒んだ。
「俺が頼んで付き合ってもらってるんだから…」
年下の彼に支払わせるのも気がひける。
でも、「いい所見させて下さい」と頼む彼に、甘えさせてもらった。
「…ごちそうさまでした」
出てきた所で頭を下げた。照れくさそうな顔。やっぱり夢とは、どこか違う…。
(こんな顔、夢では見せなかったもんね…)
現実との確かな差。
どっちが夢でも現実でも、今、こうしてるのは幸せだと思った…。
頭を上げると、ひかるからそう言われた。
「厄除け?」
何故知ってるのかと不思議に思った。
「エリカさん、厄年なんでしょ?厄除け参りしてるって、杉野さんから聞きましたよ」
「太一から…?」
(何故⁉︎ どうしてここで太一の名前が出てくるの…⁉︎ )
「杉野さん、心配してました。自分が四国に行った後、エリカさん一人で大丈夫だろうか…って」
「えっ…」
「見た目しっかりしてるけど、ドジだし不器用だし、寂しがりやだから…って。散々酷いことばかり言ってましたけど…」
笑顔で話す。その顔が、少し真面目になった。
「…愛情が残ってるんだろうなと思いました。…エリカさんのこと、きっと今でも好きなんですよ…」
ドキン…!と胸が鳴る。
甘い夢と異なる現実。
ひかるの口から出てくる言葉に、頭の中が真っ白になる…。
「別れた原因も単なるコミュニケーション不足みたいだし、ヨリ戻そうと思ったら戻せるんじゃないですか?今日みたいに、エリカさんから謝っちゃえば!」
楽しそうに笑う。
夢の続きが見れて、幸せな気持ちになってたのにーーー……
(ヤバ…泣きそ…)
……目の奥が痛くなる。
涙が溢れそうになって、慌てて背を向ける。
地面を見てる視界が歪む。
涙が零れ落ちそうになるのを、必死で食い止めたーーー。
……太一の気持ちは知ってる。
ひかるに聞かされなくても、本人から直接伝えられてる。
(でも、私は…それを断ったばかり……)
思ってもなかった展開に現実を知る。
明らかに夢の中とは違う。
こんな事…何も望んでもいなかったーーー。
「…エリカさん?」
名前を呼ぶ人の方に振り向く。
ハッとするその表情に、無理やり笑って見せた。
「…ご心配ありがとう。でも…太一とは終わったことだから…」
夢の続きは甘くなかった。
彼との時間を再び訪れて、幸せだと思ってたけど……。
(でも、この現実は…あまりにもひどすぎるーーー)
天国から地獄に落とされた様なショック。
その後の食事でも、辛うじて明るく振舞った。
店内から見える表の通り。
向かい側の端っこに、やはり花屋があるーーー。
「私、後であの花屋に寄りたいな…」
後ろを指さした。
振り返った「ひかるの君」が、店の場所を確認する。
「…いいですよ。花…好きなんですか?」
向き直って聞く。
「うん…まあね」
店先のバケツを眺めて言葉を濁した。
私が花屋へ寄りたかったのは、夢の中のように、彼にただ…花を贈りたいと思ったからだ…。
支払いをしようとレジに立つと、ひかるは頑としてそれを拒んだ。
「俺が頼んで付き合ってもらってるんだから…」
年下の彼に支払わせるのも気がひける。
でも、「いい所見させて下さい」と頼む彼に、甘えさせてもらった。
「…ごちそうさまでした」
出てきた所で頭を下げた。照れくさそうな顔。やっぱり夢とは、どこか違う…。
(こんな顔、夢では見せなかったもんね…)
現実との確かな差。
どっちが夢でも現実でも、今、こうしてるのは幸せだと思った…。

