「後で…」
食後のコーヒーを飲みながら、「たからがひかる」が呟いた。
「…神社行ってみるか?」
「神社! …あるの⁉︎ 」
聞きなおす私に微笑む。その態度にハッ…!とさせられた。
(この人…私が神社巡りしてるって…知ってる…⁉︎ )
どうしてなんだろうと不思議に思った。
神社巡りをしてる事は、誰にも話した事などなかったのに。
(太一にも一度も言わず……一人でしてたのに…)
キッカケは32才になる前の年、初詣で参った神社の看板で『前厄・本厄・後厄』の文字を見た時から。
(これによると私、今年から厄年に入るのよね…)
それから気になって、厄払いの意味も込めて巡り始めた。
気の向くまま車を走らせて、目についた鳥居の前で止まる。
静寂に包まれた空間の中で手を合わせると、何もかもが忘れられて…落ち着いた…。
(でも、どうして…彼が知ってるの…?)
黙ってコーヒーを飲み続ける「たからがひかる」を見る。
夢以外の何ものでもないと思ってる世界で、彼が知ってる私の秘密。
それが表してることの意味すらも、掴めずにいた……。
「…早く食べないと日が暮れるぞ」
ボンヤリしてる私に声をかける。
神社巡りを知ってる理由が聞きたくなって、名前を呼びそうになった。
「あの…『た……」
言いかけて迷う。「たからがひかる」と呼んでいたのは、32才の私。
…26才の私は、どう呼んでたのかも分からない…。
(昨日は「たからがひかる」と呼んだら、「今頃それ言うか」って呆れられたし…)
呼ぶのにも戸惑う。悩んだまま押し黙る私を見て、「たからがひかる」の方が聞いてきた。
「…何か質問か?」
聞き返されると困る。
質問にも答えにも詰まる私を見て、彼の顔が曇った。
「お前…聞きかけて黙るなよ!」
怒ったような口調になる彼を見て、思い出したのは別の人…。
きゅっと唇を噛み、思いきって聞いた。
「……私が…神社巡りしてるって…どうして知ってるの…?」
太一には言えなかった言葉を口にした。
ポカン…とした表情で、「たからがひかる」がこっちを見る。
「確か…誰にも言ってなかったと思うのに…」
くるくるとパスタを巻きつけたフォークを皿の中に置いた。
「アホか…。あれだけお守り集めてたら、誰でも気づくだろ!」
「…えっ⁉︎ 」
大きな違いだった。
お守りも何も、私は買ったことなど一度もない。
「お守り集めてるの⁉︎ 私…」
自分の事なのに、他人の事みたいに聞こえた。軽い記憶喪失みたいな感覚。
それを知らない「たからがひかる」が、やれやれ…といった感じで答えた。
「…集めてるよ。まるでご当地グッズみたいな勢いで…」
御利益カンケー無しだよな…と笑ってる。
どうやら26才の私には、厄落としなど無縁らしい。
「どうせ今日も社務所寄るんだろ⁉︎ さっさと食べろよ 」
「えっ⁉︎ …う…うん…」
カチャカチャ…とフォークの音を立てながら、頭の中を整理する。
食後のコーヒーを飲みながら、「たからがひかる」が呟いた。
「…神社行ってみるか?」
「神社! …あるの⁉︎ 」
聞きなおす私に微笑む。その態度にハッ…!とさせられた。
(この人…私が神社巡りしてるって…知ってる…⁉︎ )
どうしてなんだろうと不思議に思った。
神社巡りをしてる事は、誰にも話した事などなかったのに。
(太一にも一度も言わず……一人でしてたのに…)
キッカケは32才になる前の年、初詣で参った神社の看板で『前厄・本厄・後厄』の文字を見た時から。
(これによると私、今年から厄年に入るのよね…)
それから気になって、厄払いの意味も込めて巡り始めた。
気の向くまま車を走らせて、目についた鳥居の前で止まる。
静寂に包まれた空間の中で手を合わせると、何もかもが忘れられて…落ち着いた…。
(でも、どうして…彼が知ってるの…?)
黙ってコーヒーを飲み続ける「たからがひかる」を見る。
夢以外の何ものでもないと思ってる世界で、彼が知ってる私の秘密。
それが表してることの意味すらも、掴めずにいた……。
「…早く食べないと日が暮れるぞ」
ボンヤリしてる私に声をかける。
神社巡りを知ってる理由が聞きたくなって、名前を呼びそうになった。
「あの…『た……」
言いかけて迷う。「たからがひかる」と呼んでいたのは、32才の私。
…26才の私は、どう呼んでたのかも分からない…。
(昨日は「たからがひかる」と呼んだら、「今頃それ言うか」って呆れられたし…)
呼ぶのにも戸惑う。悩んだまま押し黙る私を見て、「たからがひかる」の方が聞いてきた。
「…何か質問か?」
聞き返されると困る。
質問にも答えにも詰まる私を見て、彼の顔が曇った。
「お前…聞きかけて黙るなよ!」
怒ったような口調になる彼を見て、思い出したのは別の人…。
きゅっと唇を噛み、思いきって聞いた。
「……私が…神社巡りしてるって…どうして知ってるの…?」
太一には言えなかった言葉を口にした。
ポカン…とした表情で、「たからがひかる」がこっちを見る。
「確か…誰にも言ってなかったと思うのに…」
くるくるとパスタを巻きつけたフォークを皿の中に置いた。
「アホか…。あれだけお守り集めてたら、誰でも気づくだろ!」
「…えっ⁉︎ 」
大きな違いだった。
お守りも何も、私は買ったことなど一度もない。
「お守り集めてるの⁉︎ 私…」
自分の事なのに、他人の事みたいに聞こえた。軽い記憶喪失みたいな感覚。
それを知らない「たからがひかる」が、やれやれ…といった感じで答えた。
「…集めてるよ。まるでご当地グッズみたいな勢いで…」
御利益カンケー無しだよな…と笑ってる。
どうやら26才の私には、厄落としなど無縁らしい。
「どうせ今日も社務所寄るんだろ⁉︎ さっさと食べろよ 」
「えっ⁉︎ …う…うん…」
カチャカチャ…とフォークの音を立てながら、頭の中を整理する。

