再び空き教室のほうへ耳を傾けると、女子生徒3人組の莉奈への暴言はまだ続いていた。幸いなことに、手や足はまだ出ていないみたいだった。
「お前さあ、愛斗くんと釣り合ってないって自覚しろよ!」
大体、釣り合ってるってなんだよ。釣り合うとか釣り合わないとか、お前らが勝手に決めんじゃねぇよ。
「王子と付き合ってるって噂流れてるからって、調子乗んなよ!」
ふーん、そんな噂流れてたんだ。ま、俺にとってその噂は好都合だから放っておいてほしいけど。
「今すぐに王子に近付かないって約束したら、ここから出してあげてもいいよー?」
なんでお前らごときにそんな約束をしないといけないんだよ。
――莉奈。
今まで苦しい思いをさせてごめん。辛い思いをさせてごめん。
きっと自己主張をあまりしない優しいお前は、俺のことを心配して耐えてくれてたんだよな。本当にありがとう。
だけどもう大丈夫だ。
莉奈が俺のために我慢してくれてた分、今度は俺がお前を守るから。
たくさん頼ってもらえるような、たくましい男になってみせるから。
だから、
「ずっと話聞いてたけど、俺に何か用?」
俺を見捨てないでほしい。
たくさん笑っていてほしい。
今は“幼なじみ”としてでもいいから、ずっと俺のそばにいてほしい。

