イジワル王子の甘い嘘




この気持ちを自覚した今、俺はもう立ち止まったまま傍観なんてしていられない。




「ごめん直樹。俺やっぱ、莉奈のとこに行く」




俺のせいで莉奈が何かに巻き込まれていたとしても。

これからは俺が堂々と、莉奈を守る。

誰にも何も言わせない。だって、俺は。




「莉奈が、好きだから」




言葉にすると、その言葉は俺の中に戸惑うことなく吸収されていった。


なんで今まで気が付かなかったんだろうってくらいに、抵抗なく。




「“王子”のおでましだな」




散々俺のことをからかって遊んでいた直樹も、視線を空き教室のほうへと向けていた。


一歩一歩、近付いていく。

囚われている、俺のプリンセスの元へと。