イジワル王子の甘い嘘




“莉奈”の顔が脳裏に浮かんだ瞬間に、頭の中が真っ白になった。


そして次の瞬間、気付いてはいけないものに気付いてしまったかのように、心臓がうるさく鼓動を始める。


俺、もしかして――




「なあ、直樹。俺って、ずっと前から……」




“幼なじみ”だからって勘違いしてた。

“幼なじみ”だからと思い込んでいた。


俺はずっと、昔から。




「莉奈のこと、幼なじみだなんて思ってなかったのかもしれないな」




俺以外の男と話すなんて、許せなかった。

告白されてる姿を見て、一刻も早く引き離すことしか考えられなかった。

莉奈のあの綺麗な瞳に、他の男を映してほしくなかった。



俺にとっての莉奈は。


“幼なじみ”じゃなくて“好きな人”。




「このタイミングで気付くとか、俺ほんとかっこ悪……」



「でもちゃんと自分で気付けて良かったじゃんか。俺はいつ愛斗が気付くかそわそわしてたぞ」




パズルの最後のピースがはまったのように、今までの自分の感情に納得している俺に向かって、直樹はやっと気付いたかと言わんばかりのニヤニヤを浮かべていた。




「直樹から見た俺、そんなに分かりやすかったのか?」



「初対面のひとが見て一発で分かるレベル」



「マジかよ……」




だから直樹は俺のことを、“鈍感”って言って煽ってたのか。