イジワル王子の甘い嘘




俺たちの存在に気付かない女子3人組は、何か楽しそうに騒ぎながら、階段を上がって上の階へと移動していた。




「俺たち以外にも旧棟に人がいるとは。昼休み明け、移動教室とかかな?」



「いや、でも今日はもう授業ないはず。昼休みが終わったら体育館で終業式だろ?」



「確かに……。しかも上の階ってほとんど空き教室って聞いたんだけど。何の用があるんだろうな」




直樹と会話と交わすたびに、違和感がどんどん増していく。


何のために、昼休みに旧棟へ?

そしてどんな理由があって、空き教室ばかりがある上の階へ?




「……直樹、お前のノートはあとで取りに行こう」



「俺も同じこと言おうと思ってた。

……なんかよく分かんないけど、嫌な予感がする」




俺と直樹が感じていたことは、同じだったらしい。

なんとなく直感で、後を追わなければと思った。


気付けばふたり同時に足が階段の方へと向かっていた。女子3人組に気付かれないように、気配を消して。




「探偵みたいだな」



「楽しそうに言うなよ。ただ、本当になんとなく追いかけてるだけだから」




なぜか若干楽しそうに階段を上がる直樹に呆れつつも、俺たちは3階にたどり着いていた。女子生徒3人組はなぜかとある空き教室の前で立ち止まっていた。