『ゆびさき』 血管と神経で織りなす指先を 宇宙にそっと浸してみる 静かな音が舞い降りる浜辺は 粉雪に満たされて星も数えられない 夢現のような透明な色に 幻だと知っていても溺れる 二人の間にある細い糸を 神経と血管が取り込んでいく 指先がつながってしまうよ もう離れられない 切ってしまえばいいのに もう痛みすらそこに生じて 痛みを感じる瞬間さえ 二人が同時に振り向いて