「先輩!頑張ってくださいねっ!」 皆川先輩が走り終わったのは分かってる。 だから、ちゃんと気付いてよね。 と心の中で叫びながらわたしはエナメルバッグを背負って競技場を後にした。 「えっ……俺、今……」 後ろから素っ頓狂な声を出す皆川先輩の声が聞こえる。 桐島本人には言えなかったけど、わたしなりに桐島に背中を押せた……よね。 桐島なんて好きでもなんでもないのに変に意識しちゃって 「わたし、バカみたい」 そう呟くと、またわたしの言葉は雲一つない空に消えて行った。