桐島の足がようやく止まった場所はいつか来た小さな川のある土手だった。
今日もあの時と同じように川の水は太陽に反射してキラキラと光っている。
でもあの頃と違うのは、夕方に来たからオレンジ色だったけど今日はまだ早い時間だから白っぽく輝いていること。
もうあれから2年も経つんだね。
橋本先生に陸上部は部内恋愛禁止だから『別れろ』と言われても逆らったわたしたち、本当にあの頃は若かったなって思う。
今の自分が同じような状況になったら、同じ答えを出せるかと言ったらちょっと分からないかも。
「桐島?」
未だに何も話そうとしてくれない彼にわたしは名前を呼んでみた。
「もう前みたいには呼んでくれないんだな」
ボソっと呟いた彼の言葉にわたしは上手く聞き取ることができなかった。

