風に恋したキミと




また差は少しずつ縮まって行く。



背中もさっきと同じく大きく見えてきて……



でも今回はそれで終わらせなんかしない。



わたしはもうあの選手の背中を追ったりしない。



その瞬間、わたしはトップに立った。



目の前に遮るものは何もなくて、ゴールに引かれたくっきりと白い線が見える。



聞こえるのは自分のかなり切れている息遣いと「小川~ラストスパート!」「抜かれるな~!」というスタンド席からの熱い応援だけ。



つらい、つらい、つらい。



もう歩きたい。



休みたい。



疲れたよ。



でも負けたくない、絶対に負けたくない。