ボールに指をはめて、片手でボールを持つとわたしは助走をして歩き出した。
そして放つと、ボールだけをひたすら見つめた。
ガーターだけはやめてっ!ていう心の声が通じたのか、真ん中寄りは少し外れてるけど
それでも結構な数のピンが倒れそうな期待ができた。
ボールがピンに当たると、次々にピンが倒れていって……残ったピンは2本だった。
「やった!8本倒せた~」
と喜びながら、くるっと振り返って桐島のところに行くと
彼はわたしを見ずに、ボールリターンの上にあるモニターを見て口を押えながら笑っている。
「ちょっと!わたしが8本倒してたとこちゃんと見た?
それに何でそんなに笑ってるの?わたし頑張ったのに!」

