「お前たち……病院からまだ許可が出てないんだからけが人だってこと忘れてないよな。



筋トレサボって、長距離のヤツらと同じメニューをやってるなんて



何やってんだよ!」



ピシャリと校門の前で橋本先生の怒鳴り声とまでは行かないけど怒った声が響く。



橋本先生は腕を組んで、わたしたち二人を思いっきり睨みつける。



「「すみませんでした」」



もしかしたら橋本先生にバレて怒られちゃうかなと思ったけど……案の上だ。



校門の近くでは体育館が使えない日で外でトレーニングをするバスケ部もいて……そんな中二人で怒られるなんて恥ずかしすぎる。



それでも、園田先輩が走ることを提案してくれたおかげで、桐島に冷たくされて落ちていた自分も忘れて元気になることができたんだ。



桐島を諦めようと一瞬頭によぎったことも忘れられるくらい。