缶コーヒーを傍らに置くと、レナはカメラを構えて、夕闇に伸びる二つの長い影を写真に収める。

「祭の後、だね。」

レナが穏やかに微笑む。


キャンプファイアの周りでは、音楽に誘われたカップルたちが、手を取り合ってダンスを始めた。

この高校にずっと受け継がれた、文化祭最後のイベントだ。

ユウとレナは、その光景を静かに眺めていた。