やたらとレナに告白することを勧めるシンヤに、ユウはいつも戸惑ってしまう。

(応援しようと思ってくれてんだってのは、一応わかるんだけどな…。)


「ほら、シンちゃん、練習するよ。」

これ以上、この話にならないように、ユウはシンヤをドラムセットの前に座らせる。

いつもは別々のバンドで活動しているが、文化祭で一緒に演奏しようと持ちかけてきたのはシンヤだ。

他のメンバーと細かい確認をしながら、演奏を完璧なものに近付けて行く。


(シンちゃんが言ってたみたいにうまくいくとは思えないけど…作ってみようかな…。)


練習の合間に、ユウはレナへの想いを乗せた歌を作ってみようかと、おぼろげに考えていた。