恋の定義──そして今日も、君を想う──

初めて見るレナの様子に、思わず吹き出しそうになるのを必死でこらえ、ユウはレナの隣に座った。

「ごめんって…。」

「知らない。」

(やっぱスネてる!!)

子供みたいにスネるレナがかわいくてたまらない。

「ごめん、今日はレナの言うこと、なんでも聞くから、許して?」

ユウは大袈裟に手を合わせて謝る。

「…お風呂の掃除、して。」

「わかった、他には?」

「…オムライス、作って。」

「うん、わかった。」

レナはまたビールを飲み干すと、ケーキを一口食べて、フォークを持つ手を止める。

そして、ケーキを5分の1ほど食べたところで立ち上がり、ケーキを箱に戻して冷蔵庫にしまい込んだ。

(もうお腹いっぱいになっちゃってんじゃん…。)

笑いをこらえながらユウがレナの様子を見ていると、レナがクルリと振り返る。

「ケーキ、食べないでよ。」

「ハイ。わかりました。」

(かわいい…かわいすぎる…。)

レナは缶に残っていたビールをグラスに注いで飲み干すと、少しフラついた足取りで自分の部屋に戻り、ドアを閉めた。