恋の定義──そして今日も、君を想う──

家に帰り、買ってきた物を冷蔵庫にしまうと、レナはついさっき買ったばかりのホールケーキとユウの缶ビールをテーブルに置いた。

(ん?まだ昼間だけど…。オレにビールを飲めと?)

ユウが不思議そうに見ていると、レナが食器棚からフォークとグラスをひとつずつ取りだし、イスに座る。

(まさか…。)

相変わらず無表情のまま、レナはグラスにビールを注ぎ、ゴクゴク飲んだ。

そして、一人で食べるには大きすぎるケーキをフォークですくって、パクパクと食べ始める。

グラスのビールを一気に飲み干すと、またグラスにビールを注ぎ、ケーキを無言で食べ進めた。

(これって…ヤケ食い?オレのビールでヤケ酒?!)

ユウがそんなレナの様子に呆気に取られていると、2本目のビールを開けてレナが言う。

「ユウにはあげない。私が全部食べる。ビールも私が全部飲む。」

「ええっ…。」

(レナ…もしかして…怒ってるって言うか、スネてる?!)