ユウは、レナを抱きしめる手に力を込め、レナの肩口に顔を埋めた。

「レナ…もしかしてオレのこと、イヤになって出て行ったのかと思った…。」

「…違うよ…。」

「もう戻って来なかったらどうしようかって…。」

「…うん…。」

レナは、ユウが突然いなくなった日のことを、思い出す。

「ごめんね、何も言わずに出掛けて…。今日、早朝から遠方での撮影の仕事があったから…。」

「うん…そっか…。」

ユウは、レナを抱きしめる手にギュッと力を込めた。