「あっ、そうだ。」

ユウは何かを思い出して立ち止まると、ポケットの中を探った。

「どうしたの?」

「うん…ほら、これ。」

差し出されたユウの手のひらには、あの日レナがユウに投げつけた二つの指輪があった。

11年前にこのテーマパークからの帰り道で、お互いにプレゼントし合った思い出の指輪。

ユウはレナの指輪を手に取ると、レナの指にそっとはめる。

そして、自分もレナからもらったその指輪を、指にはめた。