恋の定義──そして今日も、君を想う──

トランクを手にゆっくりと歩き始めた時。

「あれっ、あーちゃん?」

聞き覚えのある声に振り返ると、そこには驚いた様子のタクミがいた。

「確か、ニューヨークへ行ったって…。」

タクミの言葉に、レナは苦笑いする。

「うん、行ったよ。もう戻らないつもりだったのに…戻って来ちゃった。」

須藤のモデルとしての仕事を終えた後、日本に帰れと婚約解消されたことを簡単に説明する。

「ちゃんと自分で決めて行ったつもりなのに、迷いが断ちきれないのを見透かされちゃった…。」

レナがそう言うと、タクミはレナのトランクを持ち、楽しそうに笑う。