溢れ出る涙を何度も拭いながら自分の部屋へ戻ったレナは、すべてを洗い流してしまおうとシャワーを浴びる。

その時ふと、胸元についた赤いアザのようなものを見つけた。

ユウに強く吸われた時にできた、ユウの唇の…キスの跡だった。

(ひどいよ、ユウ…。)

あんなに冷たい声でひどい言葉を吐きながらもさっきのユウのキスはとても優しかった。

それなのに、レナの心に傷を残す。

さっきまで、確かにユウの手は、唇は、レナの肌に、唇に触れていた。

触れられた唇の感触は、柔らかくレナの心をえぐる。