大切な人が、突然いなくなる不安や悲しみを、レナは幼い頃から知っている。

ずっとそばにいて信じていたユウが突然変わってしまったことや、何も言わずに姿を消したことも、レナの心に深く消えない傷を残したのだろう。

でも、レナが明らかに迷い始めていることをマユは感じていた。

無理をして笑っているレナの姿が痛々しくて、マユはそっと目を伏せる。

(不器用なのは片桐だけじゃない…。レナ、アンタも相当な不器用だよ…。)