上着を羽織り掛けて、自分の体をふと見下ろす。

細くて背が高くて、胸も小さくはないが、彼女たちに比べたら大きいとは言えない。

モデルとしては恵まれた体型なのだろうが、お世辞にも色っぽいとは言えない、と思う。

あんなふうに甘い声も出せない。

レナは、自分には足りない物を持つ彼女たちをほんの少し羨ましくも思いながら、事務所とは反対の方向へと歩き出したのだった。