恋の定義──そして今日も、君を想う──

1時間ほど電車に揺られ、目的地の駅に到着すると、海辺を目指して並んで歩く。


電車の中では、他愛もない話をして過ごした。

直子がドイツで元気に暮らしていることや、リサが仕事で頻繁に海外に行くこと。

マユの雑誌の創刊号にレナの写真とシンヤの短編小説のコラボ企画が掲載されたこと。

ユウのロンドンでの音楽活動や、日本でデビューすることになった経緯、`ALISON´のメンバーの話など…。


いろんな話をしたけれど、二人とも本当に聞きたかったことや言いたかったことには、触れられないでいた。

せっかく昔のように話せるようになったのに、今、核心に触れると、また元のように、知らない人同士のようなギクシャクした関係に戻ってしまいそうで、気が付くと大事なことには触れないようにしていた。

それでも、少なくとも“幼なじみの二人”には戻れたのかも知れない。