その日レナは、被写体を求めて校内を歩き回っていた。

何を見ても、心が動かされない。

去年の今頃は、たくさんの写真を撮って、写真を撮るのがとても楽しいと感じていたのに、今のレナは写真を撮ることも、撮りたいものを見つけることさえもできずにいた。


すっかり日が傾いて来た頃、もう今日はあきらめようと、レナは理科室に向かってトボトボと歩いていた。

昇降口に差し掛かった時、思いがけずユウの後ろ姿を見つけた。