制服が夏服に変わる頃、ユウの良くない噂は嫌でもレナの耳に入ってきた。

サエと付き合っていながら、他のたくさんの女の子たちと関係を持っていると言う。

そんな噂を、どこか信じられない…信じたくないと思いながら、相変わらずレナとユウはあれから1度も言葉を交わすこともないまま、ただ時間だけが流れて行った。

レナは、そんなユウを、まるで知らない人のようだと思いながらも、第2音楽室から時折聞こえてくるユウのギターの音を懐かしく思った。

ライブが近いと言っていたのに、それがいつなのかさえ教えてもらうこともできなかった。

ライブが決まると、嬉しそうに笑いながら、いつも真っ先にレナに教えてくれたユウ。

すっかり変わってしまったユウを、遠くから見つめることも許されない関係になってしまったのだと思うと哀しかった。