ギターの弦を張りながら、ユウは、ふと窓の外に視線を移した。

去年の文化祭前、向かいの棟でカメラを構えていたレナの姿を思い出す。

(もう…そこにいるわけないのに…。)


どんなに打ち消そうとしても、他の女の子を抱いても、ユウの心の中からレナへの想いが消えることはなかった。

忘れようと蓋をするのに、その想いは消えるどころか、どんどん膨れ上がって、ユウの心を壊れそうなほど傷めつける。


レナが隣にいなくなってから、サエ以外の女の子からもたびたびアプローチされたユウは、もうどうにでもなれと思いながら、そのうちの何人かと誘われるままに関係を持った。

どれだけ好きだと言われても、自分の心はそこにない。

どんなに体を重ねても、ただ、虚しさだけが残った。