改札に向かって歩いている時。

「あのっ…。」

背後から声を掛けられ、二人はくるりと振り返った。

「……。」

「あのっ…。好きです!付き合って下さい!!」

見知らぬ他校の男子生徒が、レナに向かって赤い顔をしながら、勇気を振り絞って告白した。

それを見たマユが、やれやれと言いたげに肩をすくめる。

「ムリです、ごめんなさい。」

レナは、その表情を崩すことなく断ると、ペコリと頭を下げる。

そしてまた改札に向かって歩き出した。