高2の3学期が終わり、春休みに入ってまだ間もないある日。


ユウは一人、部屋でギターの弦を弾いていた。

すると、テーブルの上のスマホがメールの受信を知らせる。

受信画面を開くと、ユウの口元がほころんだ。

(レナからだ。)


“クッキー焼いたよ。一緒に食べない?”


レナからの短いメールに、ユウはそそくさと返信する。


“ありがと。部屋にいるよ。”