また、いつもと変わらない朝が来て、俺は窓を見つめていた。
購買で買った音楽プレイヤーが、前よりも綺麗な音楽が耳に響く。
特に音楽が好きというわけでもなく、『何も聞こえない』という環境を作るのに一番適しているから、そうしている。
ア:「みーかーみーくん!」
静かだった空間に、大きな声が入ってきた。
俺はゆっくりと教室の方を向き、片方のイヤホンを取った犯人を見る。
拓:「…何か用か?」
ア:「ううん、おはようって言いたかっただけ!」
櫻井アヤカが笑顔で言った。
拓:「…?何で挨拶だけの為に、わざわざ俺へ話しかけた?」
ア:「な、何でって…」
櫻井アヤカが、困ったように頬をかいた。
それから、櫻井光輝がやってきて、俺に挨拶をする。
光:「おう、三上。おはよう」
拓:「……おう…」
何でわざわざこえをかけてくるんだ、コイツらは。
昨日、少し話しただけだろう?
何故か、俺はこの二人と一緒にいることが多くなった。

