光:「アヤカ!勝手に動くなって言ってんだろ?」
俺とは違い、目付きのいい男が教室に入ってきた。
そして、俺の前にいる女の頭をグリグリと両手で押さえつける。
ア:「コウちゃん、ごめんなさいっ…」
光:「ったく…あれ?三上君じゃん?」
俺の顔に見覚えがあるらしく、俺に笑いかける櫻井。
それは、お互い首席を争うトップ組だとされているからだろう。
櫻井光輝は、俺の耳に入るほどの天才らしい。
居残りをして勉強をしたり、陸上も努力をして全国出場を期待されている、俺とは違う本当の天才。
俺は軽く頭をさげ、壊れた音楽プレイヤーを鞄に仕舞う。
ア:「コウちゃん、私、あれ壊しちゃった…」
光:「はぁ?…ったく動き回るしか脳が無い馬鹿は、問題しか起こさないのか?っとクズだな」
そんなに言うものなのかと思うほどの毒舌を発揮する櫻井光輝を俺はなんとなく見ていた。

