蘭:(櫻井先生のあの無邪気な笑顔、どこかで見たことあるんだよなぁ…)


二人のやり取りを見て、蘭は記憶のなかを探している。


光:「米崎さん、昨日のこと覚えていますか?」

拓:「お、おいっ……がっ」


口出しをしようとした拓也の上に乗っかり、ガムテープを拓也の口に貼りつけた光輝。

蘭は、昨日という単語に集中して、記憶を辿っていく。


蘭:『あ……写真…』


どうやら、忘れていたことを思い出してきたようで、無意識に呟く。

光輝は頷いて、自分のデスクの上の写真たてを指差す。


光:「あれは、私たちが二年生の時に撮ったものです。ちなみに、間に挟まれている人は、私の双子の妹のアヤカです」


その写真たてをじっくり見ると、確かに若い頃の二人の教師と、光輝に似ている女子が写っていた。


蘭:『そうなんですか…』

光:「はい、この前は怖い思いを、このクズ童貞男にさせられたことは謝ります。」

拓:「もがっ、ふがふがっがが(おい、童貞はいらん)」



光:「昨日の出来事の説明を貴方にしなければなりません。特に、月組代表の貴女には…」