太陽と月に分けられて



光:「米崎さん、ちょっとよろしいですか?」


職員室の前を通ると、扉が開き光輝が顔を出した。

蘭は首をかしげながらも、はいと答え立ち止まる。


光:「入試の理科の点数なのですが…理科は苦手ですか?」

蘭:『あ……………………はい…』


蘭が光輝と目をあわさず頷いた。

頬には冷や汗が流れている。


光:「なるほど、では私の補習を受けなさい。今からでも教えましょう。」

蘭:『…え??』


いきなりのことに、蘭が変な声を出して驚く。

光輝は笑顔を全く崩さずに、蘭に鍵を渡した。


光:「私の部屋の鍵です。先に行っておいてください。」

蘭:『は、はい』


完二の強制的な笑顔を思いだし、蘭は素直に部屋へ向かうことにした。