泣き叫んで疲れたのか、蘭は深い眠りについていた。

拓也はそっと蘭を持ち上げ、ベッドに寝かす。

それから、ため息をついて壁にかかっている写真を見つめた。

そして、何も返事をしないそれに話しかける。


拓:「なあ、俺って何て名前だっけ?」


拓:「ああ、俺は三上拓也だったな」


拓:「俺はどんな学園生活過ごしてたんだっけ?」


拓:「…そうだったな、何も分からないまま終わったんだ」


拓:「なあ、あの時に俺が嘘をついてでも好きって言ってりゃ、3人のままでいれたのか?」





拓:「ああ、お前はもうとっくの前に死んでたんだったな、アヤカ」



その言葉のあと、拓也は黙って写真を見つめる。

それから、床を思い切り殴って声を殺しながら言った。


拓:「ちくしょう…わかんねぇよ……」


そして、向こうの自分に問いかける。


拓:「何であんなに笑えてんだよ」