蘭:『いや…いや……』


拓也の胸元から、かすれた小さな声が聞こえる。

疲れきっていてもなお、何かに怯え続けている蘭。

それを聞いている教師は泣きそうになりながら蘭の耳元で呟いている。


拓:「大丈夫だ、俺がいる、大丈夫」



…………


優:『先生、僕の妹がこの学園に入ってきたんですよ』

拓:『あー、俺のクラスだったぞ。アイツ、月の代表やるってよ』

優:『蘭が…?何でそんなことを…』

拓:『まあ、大丈夫だ、俺が守るよ』

優:『…先生、蘭は強い人です。でも、脆いんです、きっかけがあれば壊れてしまう…先生と似てて』



優:『僕にも両親にも直すことができない大きなヒビが心に入っている…』