拓:「…っ!米崎!」

蘭:『…はぁ、いや…嫌あああ!!』


拓也が、必死に蘭をゆする。

だが、蘭は拓也では無い[誰か]を見て泣き叫ぶ。

尋常ではないほどに震えが起こっており、息もろくに吸えていない。

それでも、彼女はただ泣き叫ぶ。


拓:「何だよ…何でこんなことに…っ」


拓也が、蘭に弾かれた手を握りしめて呟いた。

それから自分の唇を噛んで、じわっと血を滲ます。


拓:「何だ…何でだ……」


泣き叫ぶ蘭の口元を手で覆い、拓也は必死に蘭を抱き締めた。