午前の授業が終わり、蘭は圭太の席の前へ歩いていく。

圭太は蘭の作った弁当箱を開けているところだ。


圭:「お、美味そう、いただきま…」

蘭:『小泉くん!!』


圭太がサンドイッチを頬張ろうとした瞬間に蘭が叫ぶ。

それで、ようやく蘭がいることに気付いたようで、圭太が慌てる。


圭:「な、何だよ…?」

蘭:『どうしよ~うわぁーん』


蘭が昼休み開始時に、拓也から渡された手紙を圭太に突きつける。

その内容をさっと目を通した圭太はため息をついてサンドイッチを口にいれた。


圭:「まあ…小テストで学年最低点とったよおめでとう、これからの補習が楽しみですねってことだろ?」

蘭:『でも、私の放課後がー…』


蘭が圭太の袖を引っ張る。

圭太はそれを無視して、サンドイッチを食べていく。

あまりに蘭がしつこかったのか、圭太が言った。


圭:「つっても月・水だけだろ?」

蘭:『そうだけど…』


蘭の口に圭太がサンドイッチを突っ込む。

そして、逆方向から蘭のくわえているサンドイッチを一口食べた。


圭:「なら、つべこべ言うな。んなお前には、一口しかやらねえ…」


二人の唇がギリギリ触れないところで、圭太がサンドイッチを噛みきった。