拓:「でだな、学年から一人ずつ寮の代表者を出さなきゃならねえ。俺のクラスは月組の代表者だ。誰かいねえ?」
拓也が欠伸をしながら言う。
この男からすれば
いじめなど、どうでもいいのだろう。
教室が冷えきる。
その中でクスクスと
嫌みの笑い声が聞こえる。
…どのくらいたったのだろうか
誰かが口を開いた。
「先生、神谷さんはどうですかぁ」
クルクルと可愛らしいパーマの
優雅な女子が笑顔で手をあげる。
どうやら、太陽組のようだ。
神谷と思われる暗めの女子が
ビクッと震えて、必死に声を出す。
神:「えっ…わ、わたし…」
「私はいいと思いますぅ。」
クスクスと笑いながら言う女子の顔は
恐ろしいほど歪んで見える。
周りの太陽組と思われる女子達が
賛成ですと声を揃えて言う。
神:「あ……いや…」
神谷という女子が涙目になるが、
女子達からの目線に何も言えずにいる
拓:「神谷いいのか?決めんぞー。」
神:「あ…は、は……」
神谷がハイと言おうとした時だった。
蘭:「私がやります!!」
立ち上がり大きな声で言ったのは、
覚悟を決めた蘭だった。

