太陽と月に分けられて



蘭:『ヴァイオリンの音、綺麗だよね!
特に完二君のは姿勢からいいよ!』

完:「当たり前や、あんなカッコつけ
ようとしとる下手どもよりはな」


蘭が、僕に乗っかるくらいの勢いで
元気に質問などをしてくる。

何気に楽しくて、僕もついつい話に
答えてしまう。


蘭:『私のヴィオラと合わせてみたい
よねっ……あっ…』


蘭が話しすぎたと、急にしゅんと、
小さくなった。

僕はため息をついて蘭の額にちょんと
デコピンをする。

あいたっ、と小さな声をあげて、額を
さする。


完:「アンタとなら全然ええよ、
むしろ僕からお願いしたいくらいや」

蘭:『え!?いいの!?やった!!』


僕は驚いた。

蘭の声が耳元で聞こえてきた。


…ああ、抱き締められとるんか

久し振りや……アカン、めっちゃ温かい


完:「…蘭、そのままジッとしとけ」

蘭:『え!?うん…?』


久し振りに、抱き締められたからか
僕の視界がどんどん滲んでいく。

それだけやない、蘭の温かい言葉、
優しい笑顔が嬉しくて、嬉しくて…


完:「蘭、ありがとうな」


蘭からすれば何気ないことが、
僕にとってはこんなにも嬉しい。