演奏は普通に終わった。
自分でもなかなかの出来だったと
顔をニヤつかせながら、僕は舞台袖
へと戻っていった。
まだ止んでいない拍手を聞きながら
僕はケースの置いてある控え室へと
行こうとした時、
「おい、くそガキ」
完:「…?僕のことですか?」
ああ、面倒くさい。
こいつは前の演奏会でも演奏してた。
僕のヴァイオリンが話題になっていた
のが気に食わないという顔をしていた
今回は、そんな仲間を呼んで僕に
何かするつもりなんだろう。
僕は無邪気で何も分からないふりを
して男たちに首をかしげる。
男たちはカチンときたのか、僕の
胸ぐらを掴んで睨んできた。
…何や、その睨み方は?
圭太の方が何百倍も怖いっちゅーねん
努力もせずに嫉妬だけしよる
甘やかされるだけの坊っちゃんが
ヴァイオリンなんて触るなや
僕は無意識に睨み返していたのか、
キレた男の拳が腹に直撃していた。

