圭:「ったく、どこがあんだよ…」
果樹園をまわった圭太はゼエゼエと
息を切らしながら頭を回転させる。
サ:「あ、小泉君、お花見に来たの?」
少し向こうにあるベンチに座っていた
サクラが圭太に声をかける。
そして立ち上がりスタスタと圭太の
目の前まで歩いてきた。
サ:「そういえば、蘭と一緒じゃない
みたいね。珍しい」
圭:「その蘭がいねえんだよ、西園寺は
蘭の居場所知らねえか?」
圭太のその言葉にサクラがふと言った
サ:「何で、そんなにあの子に構うの
かしら?あの子と仲良くしていいこと
でもあるの?」
そう言いながら、グッと圭太に近づく
圭太は驚いて、じっとサクラを
見つめる。
圭:「何してんだよ!?」
サ:「蘭は何処かで泣いてるんじゃ
ない?暗いところ苦手そうだし」
サクラが圭太の頬を触る。
その言葉に圭太がサクラを睨む。
圭:「…蘭をどこやった?」
サ:「ねえ、蘭の何がいいのかしら?
…極道の息子さん」
圭太がサクラの胸ぐらをつかんで
低い声で言った。
圭:「惚れた女を命に変えても
守るのが男だろ?」
サ:「何に惚れるの?米崎家が代々
刑事の職についてるからかしら?」
圭:「さあな、今んところは一目惚れ
だけど、つか警察なんて賄賂だせば
どうにでもなるんだよ」
圭太は少しこえを大きくして言った。
圭:「アイツの手料理も寝顔もすべて
俺のもん。…俺のモノに手え出すな」

