太陽と月に分けられて



圭:「アイツまだ帰って来ねえのか?」


圭太が部屋のベッドでごろごろと
寝転んでいる。

その近くの床にヴァイオリンが
そっと布の上に綺麗におかれていた。

圭太がそのまま目を瞑ろうとすると、
トントンと扉を叩く音が聞こえた。


圭:「…?蘭か?鍵忘れたのかよ…」


圭太がそう言いながら、玄関に向かい
鍵を開けて顔を覗かせる。


拓:「よお、米崎貸してくんね?」

圭:「三上…!?てめぇが補習をやるっつったんだろ?早く返せよ」


拓也が首をかしげて、圭太を見つめる

それを見た圭太がハッとして、
拓也に怒鳴り付けるように言った。


圭:「アイツをどこにやった!?」

拓:「し、知らねえよ……」

圭:「あいつ今日は用事無いから
補習終わったら俺の相手するって」

拓:「となると…やべえな」


拓也の推理で確信が持てたのか、
圭太が扉を開けて飛び出す。


拓:「うおっ、…おい!各設備には
いなかったぞ!」

圭:「おう!ありがとな!」


走り去っていった圭太を見届けて
拓也が顎にてを添えて考え出す。


拓:「…うし、倉庫まわるか」