圭:「おい、西園寺」
圭太が廊下を歩いていくサクラを
呼び止める。
サクラはその声に反応して、クルッと
振り返る。
綺麗な髪がサラッと揺れる。
サ:「何?」
大人びた目付きで圭太のことを見る。
圭太はサクラに近付いていく。
圭:「何が目的で蘭に近付いてんだ?」
その言葉に、サクラが首をかしげる。
サ:「サクラが仲良くしたいから」
圭:「嘘つけ」
圭太がサクラにグッと近付いて言った
圭:「西園寺財閥の御令嬢が、あんな
一般人と交流を持つ理由がねえ」
サ:「…別に人の勝手でしょ?第一、
あなた一人じゃあの子を守れないのは事実よね?」
圭:「……そうか、」
圭太がクルッと向きを変えてサクラ
の元から離れていく。
サクラはその後ろ姿に静かな声で
言った。
サ:「貴方こそ、何を狙っているの?」
その質問に、圭太が答えることは
無かった。