圭:「でだな、この主人公の一番の謎
が髪型であり、それについては一切
誰にも分かってな…」
蘭:『そ、そろそろ晩御飯の準備を
しないと駄目だよね!うんうん!』
何時間も続いた圭太の話を
蘭がなんとか遮る。
サッと立ち上がり、すぐにキッチンに
向かっていった。
圭太は不機嫌そうな顔をして蘭を
睨む。
圭:「まあ、いいよ…」
蘭:『でも!…漫画貸して欲しい
なあ…って』
圭:「本当か…!?なら貸してやるよ」
蘭が遠慮気味に言うと、圭太は嬉し
そうに言った。
それから、何冊かを自分の机から漫画
を取りだし、蘭の机に置く。
蘭は笑顔で礼を言い、キッチンに
向かい料理に集中し始めた。
圭:「何つくってんの?」
蘭:『わっ、ク、クリームパスタだよ』
圭太が蘭の方に顔を乗せて覗きこむ。
蘭はビクッとしながらも料理を
続けていく。
圭太はそのまま動くことなくじっと
蘭が作っていく様子を見つめる。
圭:「女の手料理っていいもんだな。
俺、母さん死んだからさ久しぶりだ」
蘭:『そうなんだ…』
どう返事すればいいか分からない蘭を
見て、圭太がギュッと蘭を抱き締める
圭:「…お前、俺の嫁になれよ」
蘭:『…はい????』
圭:「ん?冗談に決まってるだろ?
いいから作れ、母親代わり」
蘭:『は、母親代わりって…』
圭太の言葉にあきれて蘭は料理を再開
する。
圭太の抱き締める手が邪魔でなかなか
進まなかったことは言うまでもない。